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2013 年度 実施状況報告書

髄膜腫の悪性サブグループの発生メカニズムを解明する

研究課題

研究課題/領域番号 24791514
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

岸田 悠吾  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00467292)

キーワード髄膜腫 / DNAメチル化 / 放射線抵抗性
研究概要

髄膜腫は日本人の頭蓋内原発腫瘍としては最も多いものであり、その大部分は良性の臨床経過をたどる。しかしながら一部に悪性髄膜腫、あるいは組織学的に良性でも強い浸潤・再発傾向を示す髄膜腫などが存在し、従来の病理診断を補強する診断手段および治療手段の開発が求められてきた。我々はこれまでに、再発傾向の強い髄膜腫群においてDNAの過メチル化を示す113遺伝子を同定し、この内パイロシークエンシング法にて安定してメチル化定量ができる5遺伝子(IGF2BP1、HOXA6、HOXA9、PENK、UPK3A)をマーカーとして使用する、再発予測のためのスコアリングシステムを発表した。
現在、これらのマーカー遺伝子のうち特にIGF2BP1、HOX遺伝子群に着目し、その機能的意義を検証している。当該年度までに、悪性髄膜腫細胞株を用い上記遺伝子の強制発現および発現抑制モデルの作成を行い、細胞機能に与える影響を評価してきた。IGF2BP1-cfSGFP2の過剰発現は現在までの結果では細胞増殖速度とは関連を示さないが、HOXA6及びHOXA9-cfSGFP2を過剰発現したHKBMM細胞では細胞増殖が顕著に抑制される傾向がみられた。また新たな試みとしてこれらの遺伝子の発現状況が放射線感受性に与える影響を調べているが、IGF2BP1の抑制細胞株では低線量放射線照射にて細胞死が増強する傾向がみられており、一部の髄膜腫が示す放射線治療抵抗性の原因を解明し、治療応用にもつながりうる研究と考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

髄膜腫細胞株の増殖速度が遅いために、個々の実験の再現性確認や追加の検証実験などの施行が遅れ、実験全体の進行がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

対象遺伝子の発現状況により放射線感受性に大きな差がみられた実験結果が大変興味深いと考えており、今後この現象の再現性の確認、真にその対象遺伝子がこの現象の原因であるのかの検証、また細胞死がアポトーシスによるものであるのかどうかなどを研究していく予定である。

次年度の研究費の使用計画

当該年度は高額の実験機材の購入がなく、使用薬品等も比較的消耗が少なかったため。
今後誘導型発現ベクターやshRNA、細胞株等の購入、放射線照射の機器使用などに予算が必要となる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Epigenetic subclassification of meningiomas based on genome-wide DNA methylation analyses2013

    • 著者名/発表者名
      岸田 悠吾
    • 学会等名
      景山直樹賞受賞講演
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20131214-20131214

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公開日: 2015-05-28  

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