研究課題/領域番号 |
24791520
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所) |
研究代表者 |
沖田 典子 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), その他部局等, その他 (10533797)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | glioma / MET-PET / IDH1 |
研究概要 |
Grade2(18例)、grade3(17例)のgliomaを対象としIDH1-R132H、IDH1-R132S、p53、α-Internexinによる免疫染色の特徴とMET-PET、FDG-PETの取り込みについて検討した。Diffuse astrocytoma(DA)11例、oligoastrocytoma(OA)5例、oligodendroglioma(OL)2例、anaplastic astrocytoma(AA)11例、anaplastic oligoastrocytoma(AOA)3例、anaplastic oligodendroglioma(AO)3例、男性21例女性14例、年齢中央値grade2:38歳、grade3:50歳であった。IDH1変異症例(Mut)の年齢中央値31歳、Wild type(WT)の年齢中央値46.5歳でIDH1変異を認めた場合の方が年齢が若かった(p=0.02)。Grade2でMET-PETのTmax/N比中央値はMut:1.5±1、WT:2.1±1(p=0.06)であった。組織別ではDAでMut:1.7±1、WT:2.1±0(p=0.8)、OA、OLでMut:1.5±0、WT:3.3±2 (p=0.05)であった。FDG-PETに関してgrade2でTmax/N比中央値はMut:0.8±0.2、WT:1.3±0.5(p=0.04)であった。組織別ではDAでMut:0.8±0.1、WT:1.4±0.6(p=0.01)、OA、OLでMut:1.2±0.2、WT:1.1±0.3 (p=0.8)であった。Grade3ではIDH1変異の有無で違いは認められなかった。MET-PET、FDG-PETの取り込みには遺伝子変異だけでなく、細胞密度や血管密度など様々な要素が関わっており、それぞれの要素を慎重に評価する必要があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Grade2、grade3で遺伝子解析とMET-PET、FDG-PETの解析を行い、症例の集積ができている。今後、grade4についても解析を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
対象をgrade2、grade3だけでなくgrade4も含む予定である。悪性神経膠腫の中でも組織型や遺伝子変異により化学療法への反応性や予後が異なるため、LOH, MGMT等の遺伝子解析を行い、TMZの投与回数や、遺伝子変異の違いによりMET-PETの取り込み(T/N比)がどう変化するかを経時的に検討し、MET-PETが悪性神経膠腫の治療効果判定法に有用かどうかを検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
TMZ維持療法期間に経時的にMET-PET を行い集積の変化を評価する。1p/19q LOH, MGMT等の遺伝子解析を行い、遺伝子変異の違いによるTMZ維持療法投与期間検証のための治療効果判定をMET-PETで評価する。
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