増殖が盛んな骨肉腫細胞を骨芽細胞様に分化させ、増殖を殖抑させる創薬を想定し、骨芽細胞分化(骨形成)シグナルの解明を試みた。Wntによるβ-catenin経路の活性化が骨形成を促進する報告があるが、数多あるWnt分子と下流活性化シグナルの関連は不明な点が多い。そこで、Wnt関連分子を網羅的に、既知の4種の下流シグナル経路の活性化度および骨形成活性化度の対比することを試みた。その結果、骨形成活性化度は、既知シグナル経路以外あるいは既知のシグナル活性化モード以外の機構により制御されることを見出した。現在も解析継続中であるが、新たな骨形成シグナル制御様式の発見による骨関連疾患治療標的同定が期待される。
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