研究課題/領域番号 |
24791530
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
渡邉 修司 福井大学, 医学部附属病院, 医員 (00596679)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 脊髄損傷 / 骨髄間質細胞 / ミクログリア / 末梢性ベンゾジアゼピン受容体 |
研究概要 |
脊髄損傷におけるmicrogliaに着目しマウス脊髄損傷モデルを用いて、骨髄幹細胞(BMSC)移植による神経再生、microgliaの動態について組織学的に検討した。 マウス損傷脊髄への急性期ヒトBMSC移植により有意な運動機能改善がみられ、その神経保護性が認められた。ヒトBMSCを様々なタイミング(損傷直後、3日後、7日後)で移植し、その後のBMSCの生存率を測定したところ、損傷後3日の時点で移植を行った群において有意にBMSCの生存率の上昇がみられ、その際に損傷脊髄を用いてcaspase-3,-8,-9等による免疫染色を施行したところ、BMSCにcaspaseの発現がみられ、BMSC生存においてapoptosisが関与している可能性が示唆された。これらの結果を踏まえて、抗IL-6受容体抗体をマウスに投与し同様の実験を行ったところ、著明なBMSCの生存率上昇がみられ、caspaseの発現低下などの結果が得られた。 GFP陽性マウス骨髄を移植したマウスを作成し、免疫染色を用いて損傷脊髄内microgliaの評価を行うことが可能であった。activated microgliaに発現するとされる末梢性ベンゾジアゼピン受容体(PBR)を免疫染色を用いて評価したところ、多くのPBRはIba-1、CD11b陽性細胞に発現がみられ、PBRが脊髄内では主にmicroglia/macrophageに発現することが示唆された。これを元にPBRのantagonistである、PK11195のトレーサーを用いてautoradiographyを行い、損傷脊髄におけるactivated microlgiaの評価を行い、損傷後4~7日をピークに集積上昇がみられ、以後経時的に減少するというこれまでの結果が得られ、autoradiographyによるmicroglia活性の評価の有用性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の基礎となる、脊髄損傷に対する骨髄間質細胞移植に関して、一定の結果が得られ、学会等において報告が可能であった。次年度の研究予定である抗サイトカイン療法を今年度において施行することができ、これについても一定の結果を得ることができた。現時点ではこれらの結果の編集作業を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定していた研究を引き続き実行するとともに、国内国外学会での発表・報告を行い、さらには論文作成・投稿等を行っていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
追加実験として、試薬・動物の購入に対して主に使用する。現在発表予定としている国内国外学会への旅費等にも使用予定である。
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