現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の実験計画としては主に骨肉腫細胞株を使用し、In vitroの実験を予定していた。 マウスの骨肉腫細胞株を2種、ヒト骨肉腫細胞株を4種準備し、それぞれにmTOR阻害薬(Rapamycin)を濃度、時間を変化させ作用をみた。交付申請書に記載した具体的な実験計画としては以下のとおりであり、1)骨肉腫細胞を培養し、mTOR 発現の検討する。①骨肉腫細胞を培養し、mRNA レベルでのmTOR の発現をPCR 法で定量した。②タンパクレベルでのmTOR の発現をWB 法で定量した。2)骨肉腫細胞におけるmTOR の局在を調べる。①チャンバースライドで骨肉腫細胞を培養し、抗mTOR 抗体を用いた免疫染色法によってmTOR の細胞質内、核内、細胞表面の局在比率を確認している。②ヒト骨肉腫手術検体(生検時および切除時)を用いて、腫瘍組織における局在を免疫染色法および蛍光抗体法にて確認する予定であったが、本年度に適応症例がなく過去の保存検体が使用可能であるか検討中である。3)mTOR 複合体のの標的分子(4EBP1,S6K1 AKT, SGK, PKCa)のリン酸化を確認する。①標的分子のリン酸化をリン酸化抗体を用いてWB 法により定量した。また、これらのうち、mTORC1に関与する分子の多くは無刺激においてもリン酸化されており、これらがRapamycinによって阻害されることを確認した。4)mTOR および標的分子と、骨肉腫細胞の増殖関係を検討する。①濃度、時間依存的にRapamycinによる細胞増殖抑制をWST assayにて確認した。②annexin Vと7AADを用いたFACSにてアポトーシス、ネクローシスの評価を行った。 以上の計画と実験の推移によりおおむね順調に推移している考えられる。
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