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2012 年度 実施状況報告書

多発神経炎における糖鎖の役割

研究課題

研究課題/領域番号 24791534
研究機関名古屋大学

研究代表者

松井 寛樹  名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (70612802)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードEAN / KSPG / 5D4 / Iba1 / microglia / M1 microglia / M2 microglia / 脊髄
研究概要

我々は軸索再生阻害因子であるケラタン硫酸(KSPG)に注目し、炎症性脱髄性ポリニューロパチーの代表であるギラン・バレー症候群の動物モデルであるexperimental autoimmune neuritis(EAN)において、何らかの関連があるかを検討し、KSPGが治療のターゲットとなるか検討を行っている。
Male Lewis rat にhuman P2 peptideとcomplete freund adjuvand(CFA)を混合し乳化させたものを後趾に皮下注射し感作させることでEAN ラットを作成、contorolとしてPBSを混合させたものを皮下注射したラットを用い検討を開始。運動機能はEANでは感作後9日目より麻痺を発症し、14-18日目でピークを迎え、25日目で麻痺は改善。controlとEANの脊髄でのKSPG の発現をwestern blotで解析したところcontrolとEAN発症前に認めたが、EAN発症後消失し、感作後90日で発現回復を認めた。
坐骨神経はcontrol、EAN共に発現を認めず、脊髄ではどのレベルにおいてもEANで発現が消失した。次に組織学的検討として5D4(KSPG), Iba1(microglia), CD68(M1 microglia), CD206(M2microglia)の各抗体を使用し脊髄の免疫染色したところcontrolでは前角、前索に5D4の発現をIba1と共に認め、EAN発症後では5D4の消失とともにIba1は後角に強く発現。また、EANはM1、M2ともに増加し、controlで5D4はM2とmergeし、EANでは5D4は消失しており、脊髄よりミクログリアを単離しFACSを用いそのphenotypeを解析したところ同様な結果であった。以上の検討よりケラタン硫酸はミクログリア上に存在し症状に寄与している事が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目的及び方法に記載された実験系にはおおむね遂行され、さらなる検討を行う予定である。

今後の研究の推進方策

ControlとEANラットにおけるKSPGの発現についてさらなる解析を行うためにニューロン、アストロサイトなどの他の細胞上での発現、RNAレベルでの解析、KSPGの経時的な変化を探る。
また、KS変化に関連しているサイトカイン、KS合成酵素をPCR法などで同定しKSPG消失の機序を探る予定である。これらを基としさらに解析を進めるため、初代培養microgliaのKSPG発現を確認、ケラタナーゼ処理し、KSPGをdown regulateし炎症性サイトカインが上昇するかどうかを確認、またサイトカイン投与によるKSPGの変化、microgliaの形態変化を解析しmicroglia上のKSPGの役割を探る
KSノックアウトマウスへのEAN感作を行ったモデルで運動機能、組織学的検討を行い、EANにおけるケラタン硫酸がneuroprotectiveに作用しているかどうかを検討する。最終的にはEANモデルにKSPGを投与することで治療効果が得られるかを検討する。

次年度の研究費の使用計画

実験動物、それらの餌、ペプチド、糖鎖関連、抗体などの試薬、培養に必要な試薬、器具など実験を進めるうえで重要で必要な物品類の購入を計画している。
それらのデータを集積するためのパソコン解析ソフトや備品類、国内外で行われる研究会、学会などでの情報収集や成果発表のための旅費としての使用用途を計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 脊髄におけるケラタン硫酸とミクログリアの関係 神経炎モデルでの解析2012

    • 著者名/発表者名
      松井 寛樹
    • 学会等名
      第27回日本整形外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(名古屋)
    • 年月日
      20121026-20121027

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公開日: 2014-07-24  

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