研究概要 |
ADAMTS-13はa disintegrin and metalloproteinase with thrombospondin motif(ADAMTS) family(ADAMTS-1~20)のうちの一つで止血因子であるvon Willebrand factor (vWF)の分解作用をもつとされる。そこで、同酵素の発現と脊髄損傷における動向を以下の順の実験系により確認を行った。 ラット脳よりprimary cultureにてneuronおよびglial cells(Astrocyte and Microglia)を培養し、それらをRT-PCRによりADAMTS-13 mRNA発現をみる。さらに、β-tubulin,GFAP,CD11b,ADAMTS-13 antibodyによるimmunocytochemistryを行い、発現を染色にて確認した。RT-PCRによりneuronにはADAMTS-13は発現を見なかったが、AstrocyteおよびMicrogliaにて発現が見られた。β-tubulin,GFAP,CD11b,ADAMTS-13 antibodyを用いて、免疫染色を行い、同様にAstrocyteおよびMicrogliaに同酵素の発現を確認した。 IH-impactorを使用し、200kdynの強さでラット脊髄圧挫損傷モデルを作製し、その脊髄を採取してADAMTS-13の発現に関して、real-time PCRによりmRNAの発現の増減を、Western blotting法にてタンパクレベルでの発現を確認した。次に採取した脊髄を、蛍光ペプチドアッセイを用いて酵素活性の増減を確認した。Real-time PCRにおいて、ADAMTS-13の発現は、control群に比較して約7倍に増加しており、蛍光ペプチドアッセイにおいては、約2倍の蛋白の増加を示していた。
|