線維軟骨組織である半月板は、その特徴的な細胞外基質構成のため、断裂等の損傷をきたすと自然治癒が期待しにくいとされる。特に半月板inner領域損傷においては、自己修復能力が低いとされ、本研究では半月板細胞を賦活化することにより、組織修復を活性化するとともに、半月板の再生医療に直結する技術開発を目的としてきた。 これまでの研究から、ROCK阻害や生理的なメカニカルストレスが半月板細胞を活性化することを明らかにしており、半月板inner領域に特徴的に発現するII型コラーゲンの産生を効率よく誘導するためには、転写因子SOX9と細胞内シグナルSmad3の相互作用を増強させ、II型コラーゲンプロモーター上での転写複合体活性を賦活化する必要があることを証明した。これらの研究成果は複数の学会で報告するとともに、国際英文誌に掲載された。
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