我々のグループの研究の最終目的は、様々な薬剤を骨端部に持続注入する事により、骨切りや創外固定などを用いた手術を行わずに小児の長管骨を延長および短縮する方法を確立し、臨床応用することにある。 具体的な本研究の目的は、まず骨の長軸成長を促進する薬剤と抑制する薬剤について、それぞれの候補薬剤の中から最も効果の強い薬剤を動物実験にて同定することである。その後、その薬剤による長管骨の長軸成長への効果や、成長軟骨板細胞への影響を詳細に検証する。 4週齢の日本白色家兎の左脛骨近位骨端部骨髄腔内に、様々な薬剤を投与した。対照として右側には同様の手技を用いて生理食塩水を注入した。2週間投与群、4週間投与群に分けて投与期間による効果も比較検討する。従来の浸透圧ポンプでは薬剤の失活が問題点として挙げられ、この問題点を解決し、さらに、薬剤の効果を最大限にするために動物に埋め込んだ後に薬剤を補充可能なマイクロポンプを用いた。 投与薬剤としては骨延長についてはすでに入手済みのIGF-Iを、骨短縮についてはIGF-IR antagonistに焦点を当てて研究を実行した。
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