本研究では術後疼痛、神経障害性疼痛のモデルを作成し、アデノシン硬膜内投与の鎮痛効果を検討した。術後72時間後ではアデノシン硬膜内投与により神経障害性疼痛のモデルにおいては痛覚過敏が改善されたが、術後疼痛モデルでは痛覚過敏の改善は認められなかった。組織学的評価では他のモデルと比較し術後疼痛モデルでは脊髄後角のアデノシンA1 receptor蛋白が減少していた。これらの結果よりアデノシンは神経障害性疼痛では優れた鎮痛効果を発揮するが、術後疼痛においては脊髄後角のアデノシンA1 receptorが減少するため、その効果が弱まることが推測される。
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