研究課題/領域番号 |
24791555
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
宮崎 正志 大分大学, 医学部, 助教 (30527742)
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キーワード | ラット脊椎固定モデル / ラット大腿骨骨折モデル / 骨誘導能 |
研究概要 |
ビタミンE誘導体の骨誘導能の評価及びBMPの担体としての効果を検討するためにラット脊椎固定モデル、ラット大腿骨骨折モデルを確立した。また、ビタミンE誘導体との親和性の高いマテリアルを検討するために様々なマテリアルと様々な濃度のビタミンE誘導体、BMPを癒合させ担体としての能力を検討した。その結果、Medgelとの相性が良いことが判明した。ビタミンE誘導体以外の試薬も検討し動物実験を施行した。ラット脊椎固定モデルはラットの背部を約4cm切開し傍脊柱筋を筋膜から切開しL4, L5の脊椎横突起を展開した後、横突起間にマテリアルを置いた。ラット大腿骨骨折モデルはラットの大腿外側部を約4cm切開し大腿外側広筋を筋膜から切開し大腿骨を展開した後にボーンソーにて骨折させ、それをK-wireにて骨接合し、骨接合部にマテリアルを置いた。マテリアルを移植し6週間後にラットをsacrificeし移植した脊椎や大腿骨を摘出した。徒手骨癒合試験後に、X線撮影し、H.E染色による病理組織標本を作製した。また、マイクロCT検査やバイオメカニカルテストを施行した。レントゲン像から骨癒合の判定の有無と、さらに病理組織標本から組織学的骨融合評価、架橋形成、骨陵の大きさ、細胞浸潤の程度など検討した。マイクロCT検査にて新生骨の詳細な検討とバイオメカニカルテストにて癒合した骨の力学的強度を検討した。その結果、ビタミンE誘導体以外に高脂血症薬のシンバスタチンが骨形成能を持つことが示唆された。さらなる検討が必要となり、現在、追加実験中である。結果が判明し次第に、国内、国外の学会に発表し学術誌に投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初期待していた骨誘導能がビタミンE誘導体に乏しく、他の様々な試薬を検討している。そのため、追加の動物実験が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
高脂血症薬のシンバスタチンが骨形成能を持つことが示唆され、追加の動物実験、及び評価をしていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画より、動物実験の計画が遅れており、動物や試薬の購入を次年度行い物品費を使用する必要がある。成果を考察したり発表するために学術集会、会議に出席する旅費、成果を発行する出版費用が必要である。 実験を施行し、各種評価を行い、当初の計画を遂行するため物品費を使用する。また、その成果を考察したり発表するため学術会議に出席しプレゼンテーションを行う。
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