研究概要 |
粉砕脱灰骨のコラーゲンにコラーゲン結合型塩基性線維芽細胞増殖因子(CB-bFGF)を結合させるこよる局所の骨形成促進に成功した(J Biomed Mater Res, 2014)。さらに、高齢者骨折を模擬した高週齡マウス骨折モデルに投与することによって骨形成を促進できることを示した。骨組織はすでに臨床で使用されているため、粉砕脱灰骨を担体とした本徐放システムは即時臨床応用可能であると考れられた。また、昨年度に引き続きコラーゲン粉末とCB-bFGFによる骨折治癒促進に関するエビデンスを蓄積した。その結果、bFGFとコラーゲン粉末の組み合わせに比べ、CB-bFGFとコラーゲン粉末の組み合わせが、長期に渡る骨形成促進に有用であることを示した(J Biomed Mater Res, in press)。また、CB-bFGFの最適化を行うために異なるコラーゲン結合活性を有するbFGFの作製に成功した。現在、作製したCB-bFGFの骨形成促進効果、徐放性の相違を検討中である。本シーズは科学技術振興機構の国際特許化支援に採択された。これらの成果により融合タンパクのGMP生産系の確立など、産学連携による実用化に向けた取り組みに着手している。これまでの成果により実用化に向けて大きく前進できたものと考えられる。
|