研究課題
骨の恒常性は骨を吸収する破骨細胞と、骨を形成する骨芽細胞との、絶妙なバランスの上に規定されている。破骨細胞側が相対的に優位になった場合は骨量増加へ、その逆の場合は骨量減少へ傾く。申請者らは、破骨細胞分化を正に制御する新たな転写抑制因子としてB lymphocyte maturation protein 1 (Blimp1)を同定し、破骨細胞特異的Blimp1欠損マウスでは破骨細胞分化の著しい抑制に伴う骨量の増加を呈することを見いだした。破骨細胞特異的Blimp1欠損マウス由来の細胞からは、コントロールマウス由来の細胞に比べて、有意に破骨細胞形成が抑制されていた。しかし、破骨細胞以外の細胞におけるBlimp1の機能については明らかではなかった。そこで、血球系以外の細胞腫において広くCreを発現するトランスジェニックマウスを用いてBlimp1を欠損させたところ、骨量の増加を呈することを見いだした。現在、骨量の減少がどの組織に由来するのか、またそのメカニズムについても解析を進めているところである。
すべて 2013
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Proc Natl Acad Sci U S A.
巻: 110 ページ: 16568-16573
10.1073/pnas.1308755110