研究課題
昨年度はin vitroの実験系においてラット線維輪細胞に酸化ストレスを与えることにより炎症性サイトカインの発現上昇、細胞外基質の発現減少を認めること、その下流のシグナルにMAPK系が関与することを明らかにした。更に抗酸化剤であるNACでこれらの変化をrescueできることも明らかにした。本年度はこれらの知見をin vivoで検証した。8週齢の雌性Wister系ラットの尾椎に23ゲージ針を穿刺することで椎間板変性モデルを作成した。穿刺1週間後に線維輪組織からmRNAを採取し、各種遺伝子発現を検討した結果、穿刺モデルでTNFα、MMP3、COX2などの炎症性サイトカインの上昇およびaggrecanの減少を認めた。更に穿刺1週前から抗酸化剤NACを投与したラットではTNFα、COX2の発現増加は抑制され、Aggrecan発現の減少も生じなかったことから、in vivo穿刺モデルにおいても椎間板変性がNAC投与によりrescue可能であったことが明らかになった。
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Arthritis Res Ther.
巻: 17 ページ: 316 333
10.1186/s13075-015-0834-8.