原発性悪性骨・軟部腫瘍の治療は、近年の術前化学療法の導入やMRIなどの画像診断技術の進歩により、著しい治療成績の改善を認めた。しかしながら、化学療法においては大量の抗癌剤を要し、重篤な副作用や薬剤耐性等のあらたな問題が生じ、ここ数十年は大きな予後の改善を認めていない。今回我々は、原発性悪性骨・軟部腫瘍の病態とそれにもとづく分子標的診断・治療開発の為にshRNAスクリーニングを用いて網羅的解析を行った。多様な肉腫を解析するために必要な新たな細胞株の樹立、細胞増殖抑制作用を示すキナーゼの同定、機能分析等を行い、これらの結果から、予後不良な肉腫の治療成績改善に寄与することが期待される。
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