本研究の目的は、IRE1α-XBP1経路を中心とした小胞体ストレス応答機構の破骨細胞分化における機能解明である。 骨髄細胞にてIRE1αを不活化したIre1αMx1creマウスでは、野生型と比べて、海綿骨表面の破骨細胞数の減少とともに、骨量の増加が観察された。この知見をもとに生化学的な解析を行ったところ、XBP1がNfatc1のプロモーターに結合し、Nfatc1の転写因子として機能することを見出した。以上の結果からIRE1α-XBP1経路は、破骨細胞分化の過程で活性化され、その結果産生された活性型XBP1は核へ移行しNfatc1遺伝子の転写を正に制御し、破骨細胞の分化を促進することが示された。
|