変形性関節症の変性軟骨でよく見られる軟骨細胞凝集塊には幹細胞の特性を有する細胞が多く含まれ、自己修復の期待が持てると考えられた。軟骨細胞が成熟していく過程(軟骨分化)で細胞凝集塊でも発現が見られたSulf-1が重要な役割を担っており、特に、軟骨変性に重要な役割を示すMMP-13の発現をin vitroで抑制していたことがわかった。マウスを用いたin vivoでも同様の結果が得られ、その機序としてはFGF2/Erkシグナルが関与している可能性が示唆された。Sulf-1は変形性膝関節症の新規治療薬として今後の検討が期待できる。
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