研究課題/領域番号 |
24791572
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
小野寺 勇太 近畿大学, 医学部附属病院, 助手 (30510911)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 変形性関節症 / メカニカルストレス / 炎症 / MAPK |
研究概要 |
超高齢社会の到来に伴い、変形性関節症(OA)などの関節疾患の有病率が増加している。OAでは様々な要因により関節軟骨が損傷し、歩行時や加重時に疼痛を伴う事から、高齢者の生活におけるQOL(生活の質)を著しく低下させる要因となっている。 軟骨組織は自己再生能力に乏しいため一度損傷すると自発的な再生、回復を望みにくく、高齢者においては特にその傾向が顕著である。これまでに、軟骨組織に対する物理的ストレスの負荷が軟骨細胞における活性酸素種(ROS)の発生を誘引し、組織の変性を加速度的に進行させることが報告されている。ROSは様々な組織における重要な組織障害因子であり、軟骨におけるROSの制御方法の解明は軟骨の障害を緩和する上で非常に重要な手がかりとなると考えられる。しかし、ROSの発生をもたらした細胞内分子メカニズムは依然不明であり、ROSが軟骨細胞におよぼす影響についても未知の点が多い。本研究では強い物理的(圧迫)ストレスに対し一次的に応答するシグナル分子の探索を行い、この機構に介入する方法の開発を目指す。具体的な研究として、1)軟骨組織に対する荷重の負荷とストレス応答物質の探索、2)炎症・基質破壊カスケードとの関連性に関する研究を計画した。初年度(平成24年度)にはウシ関節軟骨組織をモデルとして、周期的圧迫負荷を行いストレスセンシング機構の探索を実施した。その結果、ストレス応答MAPKであるp38のリン酸化に先立って低分子量GTPaseRhoの活性化が生じ、軟骨基質破壊分子MMP13の発現を上昇させることを見出した。また、OAに対する症状緩和薬として日常診療で使用されているヒアルロン酸はRhoの活性に介入しうる可能性を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度には、当初の予定どおりストレス応答のプライマリ分子を抽出した。また、既存薬の介入性についても検討することができた。しかしながら、in vitro実験による具体的なストレス伝達機構の解明が完了しておらず、詳細な解析が必要である。加えて、選択的阻害剤を用いた介入実験も十分ではないため、2年目以降の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ROSの発生におけるRho/ROCK経路活性化の意義を検討するとともに、主にin vitro実験系においてカスケードの中間分子の検索を進めていきたい。また、Rho/ROCKに対する選択的阻害剤を用いてROSの発生に対する防止(緩和)効果など、実際のOA治療への有効性を検討する予定である。また、OAの増悪に極めて重要な役割を担う滑膜細胞の炎症とストレス、Rhoの関係性についても検索したいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画どおり、2年目以降は初代軟骨細胞を用いたin vitro実験が主である。計上したとおり、培養用試薬、分析試薬の購入に使用する。
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