エピジェネティクスは、DNAの塩基配列によらない遺伝子発現の多様性を生み出す機構であり、そのひとつにヒストンのアセチル化がある。本研究では、敗血症におけるヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の役割、HDAC阻害剤の敗血症に対する有用性について検討した。 新規HDAC阻害剤であるCG200745の投与は、敗血症におけるアポトーシスを抑制したが、炎症性サイトカインの抑制や炎症病理像の改善は認めなかった。同じくHDAC阻害剤のバルプロ酸も抗アポトーシス効果を示したが、炎症は抑制しなかった。 HDAC阻害剤によるヒストンアセチル化は、敗血症における細胞のアポトーシスを制御していることが示唆された。
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