四肢虚血リモートプレコンディショニング(remote Limb ischemic preconditioning:RLIP)は短時間の四肢虚血を繰り返し施行することで離れた臓器の虚血耐性を誘導する.これまで主に心臓において有効性を示唆する多くの研究があるが,early phaseにおける脳での長期間の保護効果について検討した報告は少ない.今回,ラット一過性局所脳虚血モデルを用いて虚血後7日間にわたる下肢RLIPの神経保護効果について検討し,脳梗塞体積・神経学的スコアの有意な改善を認めた. RLIPは臨床応用の可能性が高い方法と考えられ,今後保護効果の機序について詳細な検討が必要である.
|