研究課題
前年度に引き続き、炭水化物含有飲料水としてアルジネード・ウォーターを使用した術前栄養補給の研究を行った。結果は、コントロール群に比較して低AW群・高AW群で「飲みやすさ」「口渇感」「空腹感」「気分」に対し有意に良好な回答を得ることができた。各群間に導入前の胃内容物に差はなかった。採血の結果は高AW群・低AW群・コントロール群の順に術前飢餓状態が解消されていることが明らかとなった。また、本年度は、術中に、ブドウ糖を含んだ酢酸リンゲル液を用い術中の栄養管理についての研究を行った。全身麻酔の導入・気管挿管後、代謝モニターを装着し持続的にエネルギー消費量・呼吸商を測定した。患者を無作為に3群に分け術中輸液としてブドウ糖を含まないリンゲル液、コントロール群。1%ブドウ糖加酢酸リンゲル液群。2.5%ブドウ糖加酢酸リンゲル液群に分ける。採血を行い、血中ケトン体、遊離脂肪酸、乳酸値、3-メチルヒスチジン値、血糖値、インスリン値について比較検討を行った。また、輸液投与後のエネルギー消費量・呼吸商も引き続き持続的に測定することで術中の栄養管理の指標とした。コントロール群においては、タンパク異化が進んだ。低ブドウ糖群及び高ブドウ糖群においてはタンパク異化は観られなかったが、高ブドウ糖群では高血糖となった。さらに、術後集中治療室に入室し、人工呼吸管理となった患者を対象として、Harris-Benedictの式を用いて算出した推定基礎代謝量に「活動係数」および「ストレス係数」を乗じて推定必要エネルギー消費量を求める、代謝モニターより算出されるエネルギー消費量と比較検討を行った。その結果、従来の投与エネルギーが代謝モニターより算出される消費エネルギーと比較して過量であることが分かった。
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Journal of Medical Investigation
巻: 59 ページ: 272-275
10.2152/jmi.60.272
Acta Anaesthesiologica Scandinavica
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
臨床麻酔
巻: 38 ページ: 印刷中