研究課題/領域番号 |
24791601
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
松本 周平 長崎大学, 大学病院, 助教 (20580327)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 心筋プレコンディショニング / 心筋虚血再灌流障害 |
研究概要 |
各種刺激による心筋プレコンディショニングの作用機序ならびにその阻害因子について実験を施行し検討を続けている。 心筋プレコンディショニングを心臓手術の際などに実際に臨床応用していくにあたり、実際に阻害因子としてその保護作用に影響を与えている因子としては一つには元々の患者の有する体内環境によるもの、もう一つには周術期に加えられる外的誘因が候補として挙げられる。そのうち前者の、患者のもつ内的誘因については糖尿病・高血糖状態や加齢などが知られており過去に私たちの研究施設においてもその阻害機序について検索を行っている。一方、周術期において発生する外的因子については投与される薬剤や再灌流や臓器低灌流に伴う酸塩基平衡障害などがあり、現在これらが心筋プレコンディショニングに及ぼす影響について検討中である。 現在までのところ私たちの研究施設によって検索が進められている心筋プレコンディショニングへの影響因子としては今回研究課題として取り上げている酸塩基平衡状態の他に各種麻酔薬の影響が挙げられる。現在までのところ進んでいる実験においては、各種プレコンディショニング刺激と並行して静脈麻酔薬であるプロポフォールを投与することによってプレコンディショニングによる心筋保護作用が阻害される可能性を示唆する結果が得られており、今後さらなる機序の解明や他の影響因子についても検索を予定している。このように周術期において臓器の内在性保護作用に影響しうる外的刺激や内的要因について解明が進み、具体的にその因果関係が判明することで臓器保護を目的とした各種プレコンディショニングの臨床現場における応用が推進されていくと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験モデルの作成および得られた標本の処理法・染色法について検討を行い、実験法としてはおおむね確立することができた。 またラット心筋虚血再灌流モデルにおける、吸入麻酔薬によるAnesthetic preconditioningならびにpostconditioningについて検討し、1MACの投与による当初のプロトコールに沿った投与法にて保護効果を発揮しうることを確認している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は吸入麻酔薬によるAnesthetic preconditioningやpostconditioningやその他の特定臓器の一過性虚血によるischemic preconditioningに対して、それらに影響しうると考えられる各種周術期投与薬剤の併用や、血中酸塩基平衡状態の調節を行った際の保護作用に対する影響について検索していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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