研究課題/領域番号 |
24791604
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
田村 隆二 宮崎大学, 医学部, 助教 (40549060)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 細胞内グルコース濃度 / グルコース感受性蛍光プロ / セボフルレン |
研究概要 |
本研究の目的は、神経細胞において蛍光プローブを用いて細胞内グルコース濃度を経時的に測定し、種々の麻酔薬の細胞内グルコース濃度におよぼす影響を解明し、それにより糖尿病や神経系に合併症のある患者の麻酔に最適な麻酔薬を見いだすことである。 1)グルコース感受性蛍光プローブを用いて麻酔薬による細胞内へのグルコース取り込みへの影響を検証する。これらのデータ取得は蛍光顕微鏡(Nikon、Ti-μ)および蛍光イメージング装置(AQA cosmos、浜松ホトニクス)を用いて行う。また、本測定のために対物レンズスーパーフルオール(Nikon)ならびに対物レンズプランフルオール(Nikon)を購入し、蛍光顕微鏡のセッティングを行った。また、蛍光イメージング装置で測定された蛍光量の解析のためにノートパソコンLIFEBOOK SH54/H(FUJITSU)を購入した。当初の標的細胞としてラット後根神経節(DRG)細胞を選択し、採取するSDラット(九動)を購入し細胞の採取ならびに細胞内グルコース濃度の測定を行った。 研究の前段階として正常状態における細胞内グルコース濃度の測定を行わなければならない。その結果を用いて検量線を作成し、麻酔薬を作用させた際の細胞内グルコース濃度の変化を算出する必要があるからである。 現在、検量線作成のための実験を行っている。しかし、細胞内グルコース濃度測定に至るまでにラット後根神経節細胞の採取に問題が生じ、生存しかつ安定した検体採取が困難であった。採取された検体で細胞内グルコース濃度の測定を行ったが、推定された蛍光量の測定ができず、検体の問題か、蛍光顕微鏡あるいは蛍光イメージング装置の問題か、グルコース感受性蛍光プローブの問題かを検証しつつ測定を繰り返し、検量線の作成を行っている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究の前段階として正常状態における細胞内グルコース濃度の測定を行わなければならない。その結果を用いて検量線を作成し、麻酔薬を作用させた際の細胞内グルコース濃度の変化を算出する必要があるからである。 現在、検量線作成のための実験を行っている。しかし、細胞内グルコース濃度測定に至るまでにラット後根神経節細胞の採取に問題が生じ、生存しかつ安定した検体採取が困難であった。採取された検体で細胞内グルコース濃度の測定を行ったが、推定された蛍光量の測定ができず、検体の問題か、蛍光顕微鏡あるいは蛍光イメージング装置の問題か、グルコース感受性蛍光プローブの問題かを検証しつつ測定を繰り返し、検量線の作成を行っている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は速やかに検量線を作成し実験を推進する。まずは平成24年度の研究実施計画であった1)グルコース感受性蛍光プローブを用いて麻酔薬による細胞内へのグルコース取り込みへの影響を検証する。次に2)GFPで標識したGLUT1をHEK293細胞に強制発現させ、蛍光顕微鏡下に、経時的に麻酔薬によるGLUT4のtrans locationを観察するが、この際に平成25年度の研究実施計画であった3)GFPで標識したGLUT4をラット神経細胞に発現させた場合のGLUT4のtrans locationの観察も並列して行い、研究期間の短縮を図る。その後、4)細胞膜分画および細胞質分画それぞれのGLUT4のタンパク量をウェスタンブロット法を用いて定量し、5)インスリン受容体-GLUT4間の情報伝達機構におけるPKCおよびAktの活性化の程度を蛍光イメージング法およびWestern blotting法を用いて解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
まず標的細胞採取のためにSDラット(九動)の購入ならびに細胞培養液等の消耗品の購入は継続していく。測定困難な原因が蛍光顕微鏡あるいは蛍光イメージング装置にあり、再調整が必要な場合には費用が生じる可能性がある。その他に平成24年度に購入予定であった全反射照明装置(Nikon, TIRF)、また細胞に目的蛋白を強制発現させるために遺伝子導入装置(NEPAGENE, NEPA21)の購入を計画している。本来は平成24年度に購入予定であったが研究進捗状況が芳しくないため平成25年度購入予定とした。同様に標的培養腫瘍細胞および遺伝子、ベクター等の購入を計画している。
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