研究課題/領域番号 |
24791612
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 仁 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (70453040)
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キーワード | シミュレーショントレーニング / 超音波ガイド下末しょう神経ブロック / 超音波ガイド下中心静脈穿刺 |
研究概要 |
初年度、次年度と受講者因子の解析として、産休後に職場復帰した経験のある女性医師にアンケート調査を行った。この結果によると、シミュレーショントレーニングによる復帰支援へのニーズは、休暇に入るまでの経験年数が少ない方が高い傾向にあり、麻酔科専門医取得後の医師ではあまり高くない傾向があった。経験の浅い医師に対しては、臨床上の基本事項を含むシンプルなシナリオが現場復帰の為の準備として直接有効であり、またニーズも高いと言える。一方、経験を積んだ医師への復帰支援は、相対的にニーズが低いが、客観的に見て長期休暇後の医師に対しては、復帰前のシミュレーショントレーニングは自身の現状を顧みて、復帰への準備を進める為に受講する事が望ましいと考えられる。そこで、経験を積んだ医師に対してもニーズが高いトレーニングとする為に、シナリオの工夫に加え、トレーニング内容としてニーズの高い末梢神経ブロック、中心静脈穿刺のトレーニングを組み入れた内容とする事が良いと考えた。現在の臨床麻酔に置いて、超音波ガイド下の末しょう神経ブロック、中心静脈穿刺は非常に注目を集めている分野であり、教育の機会も限られている。これをシナリオに取り入れ、またスキルトレーニングとしても取り扱う事で、幅広い経験年数の医師向けのトレーニングプログラムが作成できると考えられた。 シナリオ自体は、初年度から継続して後期研修医を対象に複数のシナリオを作成し、繰り返しシナリオを施行して、指導者因子としての受講者評価法、指導法について検討を継続している。次年度に向けては、さらに難易度の高いシナリオも作成し、完成度を高め経験豊富な医師向けのトレーニングに組み込めるよう開発したいと考えています。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
末しょう神経ブロックの教育法について最適なプログラムを開発するため、国内のワークショップに参加し、国内での最先端の指導者の指導法、技術を吸収した。さらに、世界的に多数の超音波ガイド下神経ブロックを施行し、多数の国の医師が研修に訪れるドイツフランクフルト大学整形外科病院での研修に応募し、本年5月に受け入れ可能となった為、プログラムの全容作成に時間を要している。今回、フランクフルト大学にて研修を行ったので、プログラムの全体を完成し、プログラムの評価を行っていく考えです。
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今後の研究の推進方策 |
今回の研修により、超音波ガイド下の末しょう神経ブロックのトレーニング法開発に一定のめどがついたので、トレーニングプログラムを完成し、その評価を行っていきたいと考えています。
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次年度の研究費の使用計画 |
ノート型パソコンやタブレット端末とWEBカメラの組み合わせが、当初に購入を想定したカメラシステムより安価で十分使用可能であったことで、予算が計画より少なく推移した。また、国外での末しょう神経ブロック講習のため費用を使用したいと考えた。 ドイツにおける末しょう神経ブロック講習受講のための旅費を計上した。また、シミュレーションを行うに伴い、画像データが蓄積されてきており、大容量で保存可能なハードディスクを購入したい。
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