本研究では、疼痛下のmicroRNA (miRNA) の発現変動に着目し、慢性疼痛形成の分子機構の解明ならびに臨床での疼痛のバイオマーカーとして診断への応用を目的として研究を行った。神経障害性疼痛モデルにおける扁桃体、側坐核、前頭前野などの脳内ならびに脊髄内、血清中のmiRNA発現の網羅的解析により、慢性疼痛によるmiRNAのプロファイリングを行うことができた。さらには、ヒト慢性疼痛患者の血清中のmiRNAの変化を特定し、血中miRNAの痛みのバイオマーカーとしての可能性を示唆した。こうした研究結果は、Trends in Neuroscience 誌 (IF=12.902) に掲載された。
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