研究課題
前年度では、前立腺マッサージ後の尿のC2GnT検出と悪性度の相関を確認した。本年度では、この検出系における臨床学的な意義をさらに検討した。前立腺マッサージ後の尿に対するC2GnTの発現量をシグナル強度を数値化できる測定機器で再測定し、その強度を尿中の全タンパク質量で補正した相対シグナル強度として半定量測定系の構築を行った。このC2GnTの発現量と術前の患者情報より前立腺特異抗原(PSA)とC2GnTの発現量が前立腺癌の被膜外への浸潤とよく相関することが明らかとなった。この2つのパラメータを用い、癌の悪性度を評価するリスク分類を作成したところ、PSAおよびC2GnTの量が設定したカットオフ値よりも高い群では95%の確立で前立腺癌の被膜外への浸潤を予測できることが明らかとなった。現在、定量測定系の構築に向け蛍光磁気ビーズを用いた検討を行っているが、満足な感度が得られていないため系の構築をさらに進める予定である。一方で、分泌タンパク質に対する抗糖鎖抗体の作製であるが、癌細胞表面の糖鎖認識抗体の作製を行い、糖鎖に対する反応性があると思われるクローンを獲得しており、今後その抗体を用いて前立腺癌の悪性度と相関するかを検討していく予定である。現在作成中の抗体は、前立腺癌細胞表面タンパク質上の糖鎖を標的としていることから、細胞内タンパク質であるC2GnTによる感度不足を補う可能性があり、組み合わせて使用していくことで、更なる診断感度および精度の上昇が期待できるものと考えている。
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