研究課題/領域番号 |
24791632
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山下 慎一 東北大学, 大学病院, 助教 (10622425)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 勃起障害 / 骨盤内手術 |
研究概要 |
骨盤内手術後の勃起障害発生メカニズムを解明および勃起障害を改善させる治療法を開発するために、ラット海綿体神経剥離モデルを用いて研究を行った。 その海綿体神経剥離モデルの勃起機能は術直後より4週目に有意に低下した。そのことから、機械的な海綿体神経損傷だけでなく損傷後に生じる炎症反応などにより続発的に海綿体神経が損傷をうけた可能性が示唆された。そこで、私たちは炎症反応で重要な役割を担っているインターロイキン-6(IL-6)に着目し、海綿体神経損傷後に損傷部周囲でIL-6の発現が亢進することを確認した。さらに、術直後の過度の発現を抑制すると術後4週目の勃起障害を改善させることができた。そこで、炎症反応が手術後の勃起機能に影響すると判断し、過度の炎症反応を抑えることが骨盤内手術後の勃起機能を改善させるターゲットの1つになり得ると考えた。 私たちは勃起障害を改善させる方法として、組織接着用シートに着目した。そして、平成24年度の研究にてラット海綿体神経剥離モデルに組織接着用シートを使用することで術後の勃起機能を改善させる傾向を認めた。 平成25年度以降は、さらに数を増やし組織接着用シートの有効性を明らかにする。そして、炎症や癒着などを免疫組織化学や分子生物学的手法にて評価し、そのメカニズムを検討する。 そして、組織接着用シートの有効性を認めた場合、神経温存前立腺全摘症例を対象に臨床試験を計画する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
骨盤内手術後の勃起障害を改善させる方法として、私たちは組織接着用シートに着目し、ラット海綿体神経剥離モデルに組織接着用シートを使用すると術後の勃起機能を改善させる可能性を見出した。 今後さらに実験を行い組織接着用シートの有効性を明らかにすることができれば、組織接着用シートは臨床で使用可能であり、神経温存前立腺全摘症例を対象に臨床試験を計画し、骨盤内手術後の勃起障害を改善させる方法の開発につながる可能性がある。
|
今後の研究の推進方策 |
ラット海綿体神経剥離モデルの勃起障害を改善させる方法として、組織接着用シートの可能性を見出した。 今後は、さらに実験を行い組織接着用シートの有効性を明らかにする予定である。さらに、炎症や癒着などを免疫組織化学や分子生物学的手法にて評価し、骨盤内手術後の勃起障害のメカニズムを検討する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額とあわせ、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。
|