研究課題/領域番号 |
24791635
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
仲村 和芳 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (50456034)
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キーワード | 医工学 |
研究概要 |
尿道内腔3次元構築法を用いることで、①α1ブロッカーの治療前後の尿道の拡張様式(及び拡張部位)、②尿流シミュレーションによる尿流速度・尿流圧の変化や尿流停滞部位の同定、尿流入部と流出部でのエネルギーロスの程度、③治療抵抗性及び治療感受性患者における尿道拡張様式の違い、④α1レセプターのサブタイプに対する親和性が異なるα1ブロッカーと尿道拡張様式の違いを検討する。 上記を全研究期間内の目標に設定していたが、上記①と②に関しては、42症例を選出。画像集積し、得られた映像から3次元パノラマ画像を作成し尿道拡張作用を評価したところ、内服治療により精阜部近傍が最も拡張することがわかり、それらが排尿症状改善に寄与している可能性が示唆された。またコンピューターの仮想空間上にて再度立体構築した前立腺部尿道内腔立体モデルを作成し、内部に尿が流れているときの尿流シミュレーションを行い尿流の可視化を行った。これにより、尿流の減弱に大きく関わっていると考えている渦流頻発部位の同定が可能となった。その結果、渦流は精阜部12時側に多く発生していることが判明し、治療により渦流が減少することや、渦流が減少することが症状改善に寄与していることも示唆された。さらには、膀胱頚部と精阜部での尿流のエネルギーロスを計測し、治療前後でエネルギーロスが低下することが判明したため、当グループで海外の学会発表及び論文投稿を行い掲載された。上記③に関しては、現在も検討中である。上記④に関しては、シロドシン以外の塩酸タムスロシンとナフトピジルを用いた症例での検討を行い、作用点が異なる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終目標症例数までは、至らなかったものの42症例の集積が出来たこと。 尿流解析ソフトは未だ解析に時間を要する部分があるものの、尿道拡張の評価や尿流評価そして、尿流エネルギー評価を行うにあたり、目的を果たせることが判明した。 以上が、おおむね順調に進展している理由であるが、ソフトの精度と解析速度向上へ向けて千葉大学工学部と共にアップデートを繰り返し、より精度の高いものへと進化させていく必要性があると考え、進行中である。 また、治療抵抗性のメカニズムに関しては、症例数が不足しており本研究機関中には解明には至らなかった。さらなる症例数蓄積が必要と考えている。 さらには、異なるサブタイプへの作用をもつ薬剤での比較に関しては、シロドシン以外の塩酸タムスロシンとナフトピジルを用いた症例での検討を行い、作用点が異なる可能性が示唆された。今後シロドシンを用いた症例を積み重ねることでさらなる解析が進むものと考えている。 よって、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2方面からの精度教条が今後の研究の推進方策である。 まず、症例数を100症例程度まで増やしていくことでの母数増加による精度向上と撮影手技のさらなる効率化と制度向上を推進していく。 次に、パノラマ画像作成ソフト、流体力学解析ソフト、尿流シミュレーションソフトのそれぞれの関連付けや速度向上を目指して千葉大学工学部と共同でブラッシュアップすることでの精度向上である。 一方、本研究において、全く違う側面からの評価も必要であることが示唆された。それは、尿流事態を画像評価する本研究において、排尿時造影検査を追加し行っていくことで、尿流動態解明に向けたさらなる再現性向上が期待される。 最後に、本研究を進めていくことで、Endoscopic surgery における初の ナビゲーションシステムの構築とfocal tyherapyの基礎にになりうることが考えられたため、第27回日本泌尿器内視鏡外科学会総会で発表し、未来の匠賞受賞を受賞させていただいた。これを励みにナビゲーションシステム開発にも力を入れていきたいと考えている。
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