前立腺肥大症(BPH)の発症に慢性炎症の関与が示唆されている。我々は以前、間質優位な新規BPHモデルラットを用いて、IL-18の発現がBPHで亢進することを見いだした。BPH発症におけるIL-18の機能解析をするため、本研究を行った。モデルラット、ヒトのBPH組織の上皮にIL-18が、ヒト前立腺平滑筋にIL-18受容体が発現していた。ヒト正常前立腺平滑筋細胞へのIL-18投与で、TSP-1の発現が増加し、ヒト正常前立腺間質細胞へのTSP-1投与で、その増殖能が亢進した。以上のことから腺上皮で発現したIL-18 が平滑筋細胞に作用し、TSP-1の産生を介して前立腺間質の過形成を促すと考えられた。
|