本研究では、PB2ゲノムの正常性を調査し、PB2の融合が混倍数性の原因となりうるか調査した。受精後放出されたPB2の多くは受精後72時間までDNA合成を完了せずS期の途中で留まっていたものの、アポトーシスを起こさずに生存していた。PB2を2細胞期の1割球に融合し混倍数性受精卵の作出を試みたところ、融合したPB2は割球の細胞周期に同調して核分裂を行い、3倍体細胞を含む混倍数性受精卵の形成に関与した。3倍体細胞は胚盤胞期で内部細胞塊や栄養膜に分化し、一部は胎盤組織に分化したことから、PB2融合が混倍数性の原因となる可能性が示唆された。
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