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2013 年度 実績報告書

WT1の新規標的分子としての可能性:卵巣癌発がんと薬剤抵抗性機序への関与

研究課題

研究課題/領域番号 24791680
研究機関山形大学

研究代表者

太田 剛  山形大学, 医学部, 助教 (50375341)

キーワード卵巣癌 / WT1 isoform / 腹水 / 腫瘍産生 / 血管新生 / VEGF
研究概要

Wilms’ tumor 1 (WT1)遺伝子はRNA splicingを受けexon5 (17AA)とexon9,10間の3つのamino acids (KTS)の有無によって4つのisoformがある。昨年度までの我々の研究結果より、WT1 isoform A (-17AA/-KTS)をWT1未発現である卵巣癌細胞株SKOV3細胞に、レンチウイルスベクターを用いて過剰発現させることで、腹水・腫瘍産生量共にコントロールと比較して、有意な増加を認めることが分かった。今年度はWT1 isoformがマウスの生存に与える影響とWT1 isoform Aによって腹水・腫瘍産生量が増加するメカニズムについて検討を行った。
SKOV3細胞に、4つの各isoform (17AA-/KTS-, 17AA+/KTS-, 17AA-/KTS+, 17AA+/KTS+)を過剰発現させた細胞株を樹立した。コントロールは空ベクターを導入した細胞株とした。5つの細胞株を4~6週令のメスヌードマウスに接種し、Kaplan-Meier法を用いて生存曲線を算出した。コントロール導入細胞を接種したマウスに比較して、WT1 isoform A過剰発現細胞を接種したマウスで有意な全生存期間の短縮を認めた。他のisoformを接種したマウスはコントロールと比較して有意差を認めなかった。
WT1が発現調節を行う遺伝子の一つとしてVEGF (vascular endothelial growth factor)がある。WT1 isoform A過剰発現細胞から形成された腫瘍とコントロール導入細胞より形成された腫瘍におけるVEGFの発現をimmunoblot法で検討したところ、WT1 isoform Aによりコントロールと比較してVEGFの発現が増強していた。さらに血管新生について血管内皮マーカーであるCD31抗体を用いて免疫染色法で検討したところ、コントロールに比較してWT1 isoform Aにより血管新生が増強した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 子宮頸部神経内分泌癌6例の解析2014

    • 著者名/発表者名
      長谷川 歩美、太田 剛、倉智 博久
    • 雑誌名

      臨床婦人科産科

      巻: 68 ページ: 165-170

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Non-sex cord-stromal ovarian tumors frequently produce and secrete estrogen in postmenopausal women: impact on bone metabolism and abnormal endometrial histology2013

    • 著者名/発表者名
      Sohei Matsumura, Tsuyoshi Ohta, Toshifumi Takahashi, Takeshi Yamazaki, Kazuhiro Takahashi, and Hirohisa Kurachi
    • 雑誌名

      The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism

      巻: 98 ページ: 2775-2782

    • DOI

      10.1210/jc.2013-1267

    • 査読あり
  • [備考] 山形大学産科婦人科

    • URL

      http://www.id.yamagata-u.ac.jp/ObGyn/

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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