研究課題/領域番号 |
24791681
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
原 周一郎 山形大学, 医学部, 助教 (10436230)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | アディポサイトカイン |
研究概要 |
アディポサイトカインは脂肪細胞から分泌されるサイトカインであり、インスリン抵抗性(IR)を惹起することが知られている。また不妊症の原因の1つである多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の卵胞発育障害に、アディポサイトカインが関与している可能性がある。今年度我々は、アディポサイトカインの1つであり、PCOS患者で血中、卵胞液中の高値との報告があるTNF-αの卵胞に与える影響について、そして臨床的に効果のあったベザフィブレートやピオグリタゾンなどのIR改善薬が卵胞発育に与える影響について検討した。 アディポサイトカインの卵胞発育に及ぼす影響を調べるために、まずはマウス卵胞体外培養系を確立した。予備実験と同様、マウス卵胞体外培養系にFSH(100 mIU/ml)を添加すると、卵胞発育、E2濃度ともに有意に促進された。 次に、FSHを添加した卵胞培養系にTNF-αを添加し、卵胞発育およびステロイド産生に及ぼす影響について検討したところ、それぞれに対し有意に抑制効果が認められた。そこでTNF-αによる卵胞発育抑制系にベザフィブレートを投与したところ、TNF-αによる抑制を有意に改善した。ピオグリタゾンを用いてベザフィブレートと同様の検討を行ったが、やはりTNF-αによる抑制を有意に改善した。 今後、KGN細胞を用いて、アディポサイトカイン、そしてIR改善薬の細胞増殖に与える影響、その分子機構について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験計画とほぼ同様の実験が遂行でき、そのデータも順調に集計できているため。
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今後の研究の推進方策 |
KGN細胞を用いた実験の継続、データ集計を行う。有意な結果が得られれば、結果をまとめ、学会(国際学会、国内学会)や国際的に評価の高い雑誌に投稿する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費としては、細胞培養用の培養液やディッシュ類などの消耗品、蛋白、遺伝子発現の解析をするための抗体の購入に使用する予定である。
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