研究課題/領域番号 |
24791688
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永松 健 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60463858)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 早産 / 抗菌ペプチド |
研究概要 |
本年度は当初の予定通り、ヒトの正常妊娠症例、早産症例における頸管細胞、粘液検体の収集を開始した。そしてそれを用いて本研究の中心ターゲットであるSLPIとElafinに関して、ELSA法による頸管粘液中への分泌濃度の測定および、細胞内でのmRNA発現量をreal-time PCR法により計測する方法を確立した。そして、実際の計測を行いElafinとSLPIの妊娠頸管おける生理的産生量の推移と、切迫早産症例における変化について結果を得た。Elafinは妊娠中大きな変動を示さない一方で、SLPIは初期より増加して妊娠中期にピークを迎え、後期にも高値であることを確認した。さらに、興味深いことに切迫早産にて入院している症例の内で、実際に早産となった症例においてはElafin、SLPIともに頸管細胞において高発現となっていることを明らかとした。とくにSLPIについては陽性的中率が高く、早産マーカーとしての有用性が期待される結果であった。これらの内容についてThe 20th FIGO World Congress of Gynecologic and Obstetricsで発表し、また第65回日本産科婦人科学会にて発表を予定している。 LPS投与早産マウスモデルを用いた検討については、当初予定していたSLPIノックアウトマウスの入手が遅れており、その代わりとしてヒト卵膜細胞を用いたin-vitroでの検討を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト検体を用いた検討が順調に進行しており、すでにSLPIを中心として研究対象としている抗菌ペプチドと頸管熟化、早産の病理機序との関わりが強いことが示唆されてきている。ただし、マウスモデルを用いた検討についてはLPS投与早産モデルの確立には至っているが、早産抑制実験に必要なペプチド入手、SLPIノックアウトマウスの入手について困難があり、当初の計画よりもやや遅れが生じている。その一方でヒトの卵膜組織から羊膜、絨毛膜、脱落膜を個別に培養することでin-vitroでの検討を開始しておりその点については予定よりも早い進行であり全体としては順調と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
Elafin、SLPIが早産において頸管での発現が上昇していることが分かったことから、そうした変化の背景にある分子生物学的機序について研究を進める予定である。免疫染色法により頸管局所における発現状況の確認を行い、頸管内皮細胞の細胞株、卵膜細胞を用いた培養実験により炎症性サイトカインとの相互作用について調べてゆく。また、早産マウスモデルへのSLPI、Elafinを経腟投与することでこれらの抗菌ペプチドの特徴である抗プロテアーゼ作用により頸管熟化を抑制できるかについて検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
免疫染色法、培養実験に必要な特異的抗体、培養資材の購入、早産マウスモデルの維持費とそれらに投与する抗菌ペプチドの購入を予定している。
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