研究課題
昨年度までの結果で、正常妊娠において妊娠経過に伴いSLPIは発現が上昇すること。早産分娩では頸管細胞におけるSLPI、ElafinのmRNA発現の上昇があるが、とくに羊膜絨毛膜炎などの感染を伴う場合は特にElafinの上昇が著しいことを確認していた。そこで、本年度はElafin、SLPIについて頸管熟化のマーカーとしての有用性について検討を進めた。正常妊娠では分娩前の7日以内に採取した頸管細胞ではSLPIのmRNAおよび蛋白レベルでの発現が増強しており、一方でElafinではこの変化は明らかではなかった。また、臨床的に内診所見に基づいて行われるBishopスコアリングと陣痛発来予測に関する比較を行ったところ、Bishopスコアに相当する感度、特異度を示すことが明らかになった。また、早産マウスモデルにおける検討では早産誘発法としてLPS投与およびRU486投与の2つの方法のプロトコールを確立した。供与を受けたSLPIノックアウトマウスにそれらのプロトコールを導入して野生型との早産率の比較、頸管熟化関連因子についての検討を開始している。一連の研究成果を、American Journal of Reproductive Immunology誌に発表し、第66回日本産科婦人科学会で報告した。また今後、第67回日本産科婦人科学会での報告を予定している。
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American journal of reproductive immunology
巻: 未定 ページ: 未定
10.1111/aji.12354