本研究では抗菌ペプチドであるSLPIおよびElafinと正常妊娠および分娩、さらに早産との関連について研究を行った。正常妊娠では妊娠経過に伴いSLPIは発現が上昇し、早産分娩では頸管細胞におけるSLPI、ElafinのmRNA発現の上昇があるが、とくに羊膜絨毛膜炎などの感染を伴う場合は特にElafinの上昇が著しいことを確認した。さらにElafin、SLPIについて頸管熟化のマーカーとしての有用性について検討を進めた。正常妊娠では分娩前の7日以内に採取した頸管細胞ではSLPIのmRNAおよび蛋白レベルでの発現が増強しており、一方でElafinではこの変化は明らかではなかった。
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