研究課題
①MEF-ZERTにMKOSを導入したところ、Tmx+はTmx-に比較し、iPS作製効率は1.5~2倍であった。これらのiPSは、3胚葉に分化し、tetraploid complementation testにて胎児が得られた。②MEF-ZERTにKOSを導入したところ、Tmx+はTmx-に比較し、iPS作製効率は40~70倍に上がり、さらにTmx+の期間を最初の7日間、4日間、1日間と短縮しても作製効率は改善した。このiPSはtetraploid complementation testにて胎児が得られた。③MEF-KOS-ZERTにおいて、Dox+の条件下でTmx+とTmx-を比較すると、17日目の時点でTmx+はTmx-に比較し、劇的にiPSの作製効率が上昇した。④MEF-KOS-ZERTにおいて、Dox+の条件下でTmx+とTmx-の遺伝子発現プロファイルを比較すると、iPS作製効率の大きな差にも関わらず、発現の差は、1日目で28遺伝子、3日目に162遺伝子、6日目に237遺伝子だけであった。重複を除いた231遺伝子がZscan4の活性化によって発現が上昇している遺伝子であったが、そのうち27遺伝子が着床前期胚、14遺伝子が卵細胞、37遺伝子が卵巣、精巣に特異的であった。これらの遺伝子群は、Mycを加えたMKOSによるiPS作製早期においても活性化されていなかった。
1: 当初の計画以上に進展している
申請書提出時にはベクターのconstructonが全て行われていたため、非常にスムーズに研究に移ることができたため。
マウスについてはある程度証明することができため、ヒトのiPS細胞につき検討を進めていく。
Mouseでの結果に基づき、humanのfibroblastを用いたiPS作成にhuman Zscan4(hZscan4)を用いる。予備的なデータとして、hZscan4をMEFに導入したところiPSの作成効率を上げることを既に確認している。そこで、まずhZscan4がヒトのfibroblastに導入してiPSの作成効率が促進されるかどうかにつき検討する。また、得られたiPSに関しては、PCR、免疫染色法によりnanog, Tra1-60などの多能性幹細胞マーカーの発現を確認する。さらに、このiPSが三胚葉に分化することを免疫染色法で確認する。さらに多能性を確認する上で、得られたiPSをSCID mouseの皮下もしくは腹腔内に注入し、奇形腫を形成し三胚葉に分化するかどうか検討する。特にhuman iPSは、mouseに比較して核型が非常に崩れやすいことが分かっている。。そこで、hZscan4もマウスのZscan4と同様に核型の維持に働くかどうかについても比較検討する。
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scientific reports
巻: 2 ページ: 208
10.1038/srep00208.
巻: 3 ページ: 1390
10.1038/srep01390.
human reproduction
巻: 10 ページ: 3028-3035
10.1093/humrep/des291.