研究課題
ES細胞は、もともと胚盤胞の内部細胞塊(ICM)に由来する細胞であり、4倍体の胚盤胞にこのES細胞を注入することで、完全にES細胞由来の胎児を得ることが可能である。培養期間が長くなり、継代が進むにつれ、このpotencyは低下することが分かっている。そこで、Zscan4を間欠的に発現を上げ、Zscan4の発現頻度を上げた。そのES細胞を胚盤胞に注入したときに高寄与率のキメラマウスが非常に高率で得られた。しかも30継代しても、高寄与率のキメラマウスが40%以上であることがわかった。さらに厳しいテストとして、4倍体の胚盤胞に1個のES細胞を注入したところ、5%で生存した胎児を得ることができた。4倍体の胚盤胞に1個のES細胞を注入した場合に、通常胎児が得られるのは0.5%程度であることから考えても、驚異的な数字である。ES細胞では前述のように、Zscan4+とZscan4-の状態を繰り返しているが、この頻度を上げることで「若返り」の頻度が上がり、長期間potencyを維持できることが解った。
すべて 2013
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Nature communications
巻: 4 ページ: 1966
10.1038/ncomms2966.