研究課題
今年度は臨床検体におけるデータを上積みしていくこととした。cathepsin L以外にMicroarray解析において有意に発現の変動があった遺伝子ADAM8、ADAM28m、ADAM28s、cathepsin S、MMP19において、cathepsin Lも含め、癒着胎盤症例にて子宮全摘した際の手術検体を追加し非癒着部位での絨毛組織から採取したtRNAをコントロールとして癒着部位での絨毛における発現をrealtime RT-PCRにて検討した。Microarrayにおいてはそれぞれ3.1~4.8倍の発現増加がみられていたがRT-PCRにおいては癒着部位でそれぞれ2.5倍、2.3倍、2.3倍、2.6倍、2.5倍、3.3倍の発現増加がみられた。癒着胎盤の病理組織検体を追加し17例において、cathepsin Lとcathepsin Sは癒着部分のvillous trophoblast、extravillous trophoblastに発現がみられ、かつcathepsin Sについてはinterstitional trophoblastについて強く発現がみられた。うちcathepsin Sについて、絨毛細胞系列であるHTR-8細胞を用いてsiRNAを導入し遺伝子発現の抑制を試み、約35%の発現抑制がみられた細胞を用いてInvasion assay を行ったところ、わずかに浸潤抑制効果がみられたが有意差はなかった。
3: やや遅れている
癒着胎盤症例の臨床検体について、当初の予想より症例を増やすことに難渋している。これは臨床的に癒着胎盤治療法の進歩によって大学病院以外の三次施設にても管理可能な症例が増加し、大学に紹介される例が減少していることが考えられる。またoverexpression vectorの提供依頼をしているもののまだ入手できていない。
機能実験に関しては遺伝子発現コントロールが難しい点があり努力を続ける必要がある。vivoのデータを充実させることも重要である。臨床検体の数を増やしマーカーとしてのデータの信頼性を上げていきたい。当大学の関連施設に協力を要請し、癒着胎盤のリスクを有する症例の集積を行っていきたい。
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BJOG
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10.1016/j.cca.2014.12.019.