本研究において患者検体を用いた平成25年度は子宮肉腫の臨床検体を2検体収集できた。症例数としては予想通りであった。1症例は再発病変で、もう一症例は原発であった。両者とも昨年と同様の方法でspheroidの作成を行った。 子宮肉腫の初代培養細胞塊の作成は昨年同様可能であった。今回はその培養条件の検討を中心に行った。従来もちいてきた浮遊培養に加えてコラーゲン、マトリゲル、Growth factor reduced マトリゲルを用いて接着培養を行った。次に培養皿の底部にナノインプリント技術により網目状に細胞外マトリックスを模倣したSCIVAX社の培養皿(3次元培養専用の培養容器)を用いて従来の培地にて培養を試みた。これらすべてにおいて長期間の培養細胞塊の維持は可能であったが増殖は得られなかった。 初代培養細胞塊の増殖には何らかの増殖因子が必要であることが推測されたため、EGF、FGF、Wnt signaling関連因子、エストロゲン(E2)、など様々な成長因子等の添加を試みた。これら成長因子の添加においては明らかな増殖を認めるものはなかった。 今回の研究期間において子宮肉腫の初代培養について応用可能な培養方法についてはいまだ成果を上げておらず、今後も検討を重ねたいと考えている
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