<DNA遺伝子診断>最新の機器を用いた、より精度の高いDNA診断を行うため、キャピラリー電気泳動を用いたDNA多形解析法を導入した。新たなマイクロサテライトマーカーを用いて、PCR等の条件設定、精度管理を行い、全胞状奇胎、部分胞状奇胎、水腫化流産についてより正確な遺伝子診断を行うことができようになった。 <新規胞状奇胎症例のDNA診断、免疫染色>採取した新規胞状奇胎症例に対し、嚢胞化絨毛よりDNAを抽出し、DNA多型診断により、DNA診断を行い、全胞状奇胎、部分胞状奇胎、水腫化流産の3群に分類した。また、パラフィン包埋ブロックより、p57KIP2、TSSC3の免疫染色を行い、全奇胎、部分奇胎の診断を行い、DNA診断との整合性があることを確認した。現在、これらの手法により、より精度の高い診断を行い、症例を積み重ねている。 <胞状奇胎後続発症のリスク因子の抽出>DNA診断済の胞状奇胎症例のうち、続発症を発症した群、発症しなかった群について、特に血中hCG値、初回治療時の妊娠週数、初期治療時の最大の絨毛短径に注目して、臨床病理学的事項を比較検討し、結果を統計学的に解析し、初期治療時の最大の絨毛短径が続発症のリスク因子として重要であることをことを明らかにし、学会で発表した。 <続発症予測マーカーの同定>胞状奇胎症例のうち、続発症を発症した群、発症しなかった群について、細胞増殖能の指標として用いられるKi67抗体による免疫染色を行い、Ki-67 labbeling indexと続発症の有無に相関関係がないことを明らかにし、学会で発表した。 現在、これらの研究内容について論文作成中である
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