研究課題
本年度は以下の検討を行った。1) 新たなHTLV-1母子感染経路についての検討: HTLV-1キャリア妊婦135例の分娩時に母体血、臍帯血および胎盤を採取しHTLV-1プロウイルス量を定量した。母体血には全てにHTLV-1抗体およびHTLV-1プロウイルスを検出し得た。臍帯血では全てにHTLV-1抗体を検出したが、HTLV-1プロウイルスを検出し得たのは6例(4.4%)であり、そのウイルス量はリンパ球の0.03%程度と微量であった。また、116例の胎盤組織うち51例(44.0%)にHTLV-1プロウイルスを検出した。2) 妊娠がHTLV-1キャリアに及ぼす影響についての検討:キャリア妊婦124例について妊娠中のプロウイルス量の中央値は25.8/104 cellsであった。一方、分娩後のプロウイルス量の中央値は19.9/104 cellsであった(p<0.05)。以上より、新たな母子感染経路として、胎盤を介した胎内感染の可能性が示された。また、妊娠に伴いHTLV-1ウイルス量が増加している可能性が示唆され、引き続き、妊娠がHTLV-1キャリアへ及ぼす影響について調査することの重要性が認識された。
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