• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

子宮体癌におけるmiRNA治療薬の開発および診断への応用

研究課題

研究課題/領域番号 24791718
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

矢野倉 恵  慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (20433732)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード子宮体癌 / DNAメチル化 / miR-34b
研究実績の概要

【目的】microRNA(miRNA)は約22塩基のnon-coding RNAであり、ヒトにおいて2500種以上が同定されている。我々は、 子宮体癌(類内膜腺癌)においてエピジェネティックな異常メチル化により発現が抑制されているmiRNAを同定し、 その癌抑制型miRNAとしての機能を解析した。
【方法】ヒト体癌由来細胞株4種(SNG-II、 HEC-108、 HHUA、 Ishikawa)を用い、 脱メチル化剤(5-aza-dc、100μM)を添加により発現が2倍以上増加するmiRNAをマイクロアレイにて解析した。すべての細胞株において発現が上昇したmiRNAを抽出し、 TaqMan PCR法により5-aza-dc添加による発現の上昇を確認した。インフォームドコンセントを得た上で、正常内膜(n=9)と子宮体癌臨床検体(n=11)を採取し、それぞれの組織における候補miRNAの発現をTaqMan PCR法で解析した。HEC-108に候補miRNAを遺伝子導入し、 colony formation assay、 flow cytometryによる細胞周期解析ならびにセルカルチャーインサートによる遊走能の変化を解析した。
【成績】821種のmiRNAのうち、脱メチル化によりすべての体癌細胞株で発現が上昇したのはmiR-34bのみであった。臨床検体においても体癌検体で有意に発現が低下していた(p<0.01)。miR-34b導入HEC-108では標的遺伝子であるMycやc-METの発現が低下し、 コロニー形成能および遊走能が有意に低下し(p<0.05)、 G1arrestの細胞割合が増加した。
【結論】miR-34bは子宮体癌において異常メチル化により高頻度に発現が抑制されている癌抑制型miRNAで、 体癌細胞の増殖、 遊走に重要な役割を果たしていると示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Carcinogenic mechanisms of endometrial cancer: involvement of genetics and epigenetics.2014

    • 著者名/発表者名
      Banno K, Yanokura M, Iida M, Masuda K, Aoki D.
    • 雑誌名

      J Obstet Gynaecol Res.

      巻: 40 ページ: 1957-1967

    • DOI

      10.1111/jog.12442.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Application of microRNA in diagnosis and treatment of ovarian cancer.2014

    • 著者名/発表者名
      Banno K, Yanokura M, Iida M, Adachi M, Nakamura K, Nogami Y, Umene K, Masuda K, Kisu I, Nomura H, Kataoka F, Tominaga E, Aoki D.
    • 雑誌名

      Biomed Res Int.

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1155/2014/232817.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ジエノゲストとメトホルミンの併用はメチル化状態を変化させ子宮体癌の増殖を抑制する2015

    • 著者名/発表者名
      矢野倉 恵
    • 学会等名
      第36回日本エンドメトリオーシス学会学術講演会
    • 発表場所
      ハイアットリージェンシー(東京都新宿区)
    • 年月日
      2015-01-25
  • [学会発表] メトホルミンとディナゲスト併用による新たな子宮体癌治療の可能性2014

    • 著者名/発表者名
      矢野倉 恵
    • 学会等名
      第73回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2014-09-25
  • [学会発表] ジェノゲストおよびメトホルミンの併用による子宮内膜癌細胞に対する増殖抑制効果の基礎的検討2014

    • 著者名/発表者名
      矢野倉 恵
    • 学会等名
      第66回日本産科婦人科学会学術講演会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム(東京都千代田区)
    • 年月日
      2014-04-20

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi