妊娠経過に伴う絨毛DNAメチル化の生理的変化と妊娠高血圧腎症(以下PE)症例での正常変化からの逸脱を明らかにする目的で本研究を行った。胎児心拍を確認後に人工流産となった症例、周産期合併症なく経過した症例、PE症例を対象とした。絨毛DNAメチル化プロファイルを作成し網羅的解析を施行し、PEの病態形成への関連が示唆される遺伝子を抽出しさらなる検討を行った。その結果①胎盤の正常な発生・成熟はDNAメチル化によりコントロールされていること、②絨毛におけるDNAメチル化異常がPEの発症に関与していること、③その異常が胎盤形成期である妊娠6週から11週の時点ですでに生じている、以上3点の可能性が示された。
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