眼振発現の中心的役割を果たす内側前庭神経核ニューロンに一過性虚血を与えた時の自発発火の変化をパッチクランプ法により、電気生理学的側面から観察した。持続的に自発発火するニューロンは一過性虚血により一時的に膜電位が過分極して自発発火を停止したが、生理的条件に戻すと速やかに発火は再開した。この現象はシナプス伝達を遮断しても観察されることから、ニューロン自身の内因性膜特性によるものと考えられた。さらにこの一過性過分極は、ATP感受性カリウムチャネルによる外向きカリウム電流によるものであることを薬理学的に確認した。また、ニューロンタイプ別にはタイプBニューロンの方がタイプAより虚血に鋭敏に反応した。
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