種々の条件において、下咽頭癌の治療前FFPE検体に対するCYP3A4の免疫染色の確立を試みたが、技術的な問題から条件設定は確立できなかった。そこで下咽頭癌手術症例に対し、接着斑キナーゼ(Focal Adhesion Kinase = FAK)が他癌において、予後や転移と関連があるとの報告があり、免疫染色学的検討を行なった。87症例に対し、45検体(52%)がFAK陽性で、陽性例は①病理学的転移リンパ節が多い、②再発出現率が高い、③遠隔転移出現率が高い、④予後不良であることがわかった。また、ウエスタンブロット法にて、陽性例でタンパク発現が亢進していることを確認した。
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