研究課題/領域番号 |
24791756
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
本田 圭司 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 医員 (90621079)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 遺伝子 / 神経科学 / 耳石 / Atp2b2 |
研究概要 |
マイクロフォーカスCTを用いて、難聴および耳石欠損を呈することが知られるWriggle Mouse Sagami(WMS)の末梢平衡器官変性開始時期の検討を行った。 WMSマウスの迷路骨包を採取し、Karnovky固定液(3% パラホルムアルデヒド、0。5%グルタールアルデヒドの混合液)で固定後、マイクロフォーカスCT(inspexio SMX-100CT、島津製作所、東京)で撮影した。画像処理ソフトウェア(VG StudioMax、 Volume Graphics GmbH、 Germany)で3次元再構成を行い、耳石の有無、3次元形態を解析した。比較として、固定、エタノール脱水後にサリチル酸メチルにて骨を透明化し、耳石を透見できるようにした迷路骨包標本を実体顕微鏡で観察した。 ボクセルサイズ4-6μmの解像度で耳石の3次元画像を取得することが可能であった。ホモ接合体、ヘテロ接合体、野生型において、日齢14日では球形嚢斑、卵形嚢斑とも耳石を有していたが、日齢21日ではホモ接合体において球形嚢斑の耳石が欠損し、卵形嚢斑のみが描出された。月齢6ヶ月では球形嚢班、卵形嚢班とも耳石が消失していた。ヘテロ接合体、野生型においては、耳石の形態や体積に差を認めなかった。これらの所見は、実体顕微鏡での観察所見と一致していた。 今後、他の年齢での観察および耳石消失過程における有毛細胞の変化を共焦点レーザー顕微鏡、電子顕微鏡にて行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
交配の成功率、ホモ接合体の生存率が悪く、検体が集まりにくいため。
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今後の研究の推進方策 |
WMSホモ接合体、ヘテロ接合体、野生型マウスの前庭有毛細胞の変性過程を共焦点レーザー顕微鏡、電子顕微鏡を用いて観察し、耳石の消失過程との比較を行う。予め採取し保存しておいたマウスの尾からDNAを抽出し、ホモ接合体、ヘテロ接合体、野生型のジェノタイピングを行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
マウス飼育の消耗品、電子/光学顕微鏡、免疫染色、遺伝子解析の各種試薬・消耗品、国内学会での発表・情報収集の旅費に使用予定である。
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