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2012 年度 実施状況報告書

難聴原因遺伝子変異が前庭機能に及ぼす影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24791766
研究種目

若手研究(B)

研究機関信州大学

研究代表者

塚田 景大  信州大学, 医学部附属病院, 助教 (90419375)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード遺伝性難聴 / 前庭機能 / 遺伝子
研究概要

平成24年度は(1)遺伝性難聴患者の前庭症状(めまい、ふらつき)に対する前庭症状の頻度の検討、(2) 遺伝性難聴患者の半規管機能、球形嚢機能検査といった平衡機能検査を実施することで各遺伝子変異による平衡機能障害のメカニズムを検討した。
今回我々は、遺伝性難聴患者のめまいの随伴症状の有無についてデータベースを構築し、代表的な難聴の原因遺伝子(GJB2、SLC26A4、CHD23、mitA1555G)のめまいの自覚症状の有無について検討を行った結果、GJB2変異症例では4%にめまいの随伴症状を認め、SLC26A4変異症例では62%、CDH23変異による非症候群性難聴症例では0%、mitA1555Gでは30%の頻度でなんらかのめまいの自覚症状を認めた。特に前庭水管の拡大を伴うSLC26A4遺伝子変異症例にめまいの自覚症状を認める傾向にあり、GJB2変異症例やCDH23変異による非症候群性難聴症例ではめまいの頻度は少なかった。
また、代表的な先天性難聴の原因遺伝子であるGJB2、SLC26A4、CDH23(非症候群性)の各遺伝性難聴患者の平衡機能検査(カロリックテストおよびVEMP)を実施した。GJB2 24例、SLC26A4 8例、CDH23 7例について検討を行った結果、GJB2症例およびCDH23症例では、カロリックテスト上では正常を示す傾向を示したが、SLC26A4症例は反応低下する症例や正常反応を示す症例ななどさまざまであった。VEMPでは、GJB2症例を障害する症例を多数認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

遺伝性難聴患者の前庭機能評価(カロリックテスト、VEMP)について当初の計画より多くの症例の集積が得られており、遺伝子変異の種類毎に前庭機能が徐々に明らかになりつつある。原因遺伝子の中ではまだ症例が少ないものもあり、遺伝子間での比較検討をするうえではさらなる症例数の積み重ねが必要である。

今後の研究の推進方策

前年度までに、遺伝子変異ごとに前庭機能検査を行い遺伝子変異の種類と前庭機能の相関解析を行ったが、遺伝子変異の種類のよっては症例数が乏しくデータが不十分であるため、遺伝子解析および前庭機能検査を継続して行い遺伝性難聴患者の前庭機能に対するデータベースの蓄積を行い、遺伝子間の相違について検討を行い、各遺伝性難聴の前庭の特徴およびめまいのメカニズムについて検証を行う。

次年度の研究費の使用計画

難聴患者の原因遺伝子変異を同定するために必要な遺伝子解析試薬およびプラスチック消耗品等を購入する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 小児一側性感音難聴患者における前庭機能の検討~原因別検討~2012

    • 著者名/発表者名
      塚田景大
    • 学会等名
      第71回日本めまい平衡医学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121129-20121129
  • [学会発表] Evaluation of vestibular function in patients' with electric acoustic stimulation (EAS)2012

    • 著者名/発表者名
      Keita Tsukada
    • 学会等名
      27th Barany Society Meeting in Uppsala
    • 発表場所
      Uppsala, Sweden
    • 年月日
      20120612-20120612

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公開日: 2014-07-24  

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