現在、難聴の遺伝子変異を解析の進歩により30~35%の先天性難聴患者が遺伝性難聴と診断することが可能となり、難聴の遺伝子診断は日常診療においても臨床検査として確立されつつある。 多くの難聴の原因遺伝子は蝸牛で強く発現しているのと同時に前庭末梢器官でも発現している。しかし、臨床的に前庭機能について詳細に検討し、評価している研究がほとんどないのが現状である。そのため、遺伝性難聴で頻度が多いとされるGJB2、SLC26A4、CDH23遺伝子変異症例の前庭機能を検討した結果、GJB2では球形嚢機能障害、SLC26A4では半規管機能が障害されやすい可能性が示唆された。
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