中耳粘膜は中耳生理機能維持に重要であると考えられている。そこで、ラット中耳粘膜障害モデルにおいて、組織工学的手法を用いた中耳粘膜再生を試みた。合成ペプチドハイドロゲルを組織再生の足場に用い、ラット中耳粘膜上皮培養細胞と配合して移植実験を行った。全細胞で蛍光タンパクEGFPを発現するトランスジェニックラット由来の中耳粘膜上皮培養細胞をドナー細胞に用い、中耳粘膜を除去した中耳粘膜障害ラットに移植した。移植後7日目、14日目、28日目においてEGFPを発現する細胞が移植部位に確認され、それらが組織学的な解析により、上皮細胞の性質を有し、基底膜の形成、細胞間接着の形成を示唆する結果が得られた。
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