研究課題/領域番号 |
24791792
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
又吉 宣 琉球大学, 医学部附属病院, その他 (60448587)
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キーワード | リゾフォスファチジン酸 / 頭頸部癌 / LPA4 / Gタンパク共役型受容体 |
研究概要 |
前年度の研究で頭頸部扁平上皮癌細胞株SQ20Bにテトラサイクリン誘導系アデノウイルスベクター(AdLPA4G)を用いGFP標識LPA4遺伝子の一過性過剰発現を行ったところ、リゾフォスファチジン酸(LPA)刺激下の増殖能、遊走能はともに抑制される結果が得られた。 これに続きリゾフォスファチジン酸(LPA)が細胞周期に与える影響についてフローサイトメトリーを用いたセルサイクルアッセイを行った。LPA刺激後のSQ20B細胞株では刺激2時間後をピークに、分裂期であるG2/M期の割合が増加したが、GFP標識LPA4遺伝子の一過性過剰発現を行ったSQ20B細胞株ではG2/M期の増加が抑制された。 SQ20B細胞株における外来性LPA4遺伝子の導入はLPAによる増殖作用を抑制することが細胞周期に関する解析からも明らかになった。この研究結果より、LPA4を介するシグナリングが腫瘍細胞の悪性形質制御に向けた病態解明と治療法開発へのターゲットとなりうると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度予定していたLPA産生酵素オートタキシン(ATX)、LPAレセプター発現様式と臨床病理的事項との相関に関する検討を本実験計画の最終年度に行う予定とし、引き続きin vitroでの細胞生物学的研究を行った。テトラサイクリン誘導系アデノウイルスベクター(AdLPA4G)を用いたGFP標識LPA4遺伝子の一過性過剰発現を行うことにより頭頸部癌細胞の悪性形質発現が制御できるという当初の仮説に沿った結果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
病理組織標本を用いたオートタキシン(ATX),LPAレセプター発現様式と臨床病理学的事項との相関解析を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初予定していた病理組織標本を用いたオートタキシン(ATX),LPAレセプター発現様式と臨床病理学的事項との相関解析を次年度に行う予定とし、前年度から行っているin vitroでの実験を継続して行った。実験試薬等は前年度に購入しており本年度は主に学会出張のための旅費、および実験記録に関連する機器購入のみの予算使用となった。 免疫染色による一次抗体試薬、および関連物品の購入。培養細胞維持のための機器、試薬の購入、学会発表のための旅費による予算使用を予定している。
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